仕事終わりのビールは格別なものがある。
がんばった自分へのご褒美。はじける泡とあの苦みが一日の疲れを吹き飛ばしてくれる。
「く~この一杯。サイコーだね!この一杯のために生きているようなもんだ」
グビグビと喉を鳴らしながら流し込んでいくあの黄金の液体は、なんとも言えない爽快感をもたらしてくれる。特に暑い夏は、キンキンに冷えた生ビールがたまらない。そこにエダマメが並んでいれば何も文句はない。最高の至福の時間である。
暑い暑い夏。農家の皆さんは朝早く涼しい時間から活動をはじめる。
かく言う私も、この時期は早起きになる。日が高くなるに連れて、気温も上がり、熱中症の危険も高まる。
陽に当たっているだけでも疲れがたまる。8時、9時くらいまで外仕事をしているともう汗ぐっしょりで、着ているシャツは肌にへばりついてきて、なんとも気持ち悪い。
午前中で作業をきりあげ、うちに帰ってシャワーを浴び、着替える。
午後にこれと言った予定がなければ、ビールを飲んでそのまま昼寝へと流れていきたい。
そう言えば一度、近所の農家仲間と「畑仕事を早めに切り上げて、近所のスーパー銭湯に行って汗流してビールを飲もう!」という話になった。
汗を流して露天風呂に浸かり、風呂上がりに飲んだジョッキ一杯の生ビール。そのまま銭湯の休憩室でごろ寝。ほどよい酔いと疲れが、ごろりと横になった畳に吸い込まれていくような感覚があり、本当に最高の時間だった。
とは言っても、昼から酒を飲むというわけにもいかない。午後にも何かしらの用事が入っているし、人と会ったりするのに酒を入れていくわけにもいかない。
う~ん。でもやっぱり、あの『爽快感』を味わいたい!
農作業をするようになってから、炭酸飲料の消費が増えた。
コーラやサイダーなどの甘い炭酸飲料も好きだけれども、最近だと味のないただの炭酸水もペットボトルで飲めるようになったので、それらを好んで飲むようにしている。
ビールの代わりに…とまではいかないけれども、汗をかいた後に飲む炭酸飲料も格別にうまい。炭酸のはじける泡の刺激が胃の腑にしみわたっていく。
キンキンに冷えた炭酸飲料を喉の奥に流し込み、真夏の太陽、青い空、高い高い入道雲に向かって僕は叫ぶ。
「く~この一杯。サイコーだね!この一杯のために生きているようなもん(げっぷ)」
(2021.07.16:コラム/遠藤洋次郎)