耕作放棄地を何とかしようとはじめた、イロドリ畑プロジェクト。サツマイモをたくさん植えたけれども、この時期、雑草もすくすくと生長している。
サツマイモの蔓がしっかり伸びるように、雑草を刈って蔓の道を整えたつもりだけど、長雨の季節。きっとまた驚くほどの雑草がのびるに違いない。
雑草を刈っていると、いろいろな生き物が飛び出してくる。
ついこの間までオタマジャクシだったであろう小さなカエルたちがぴょこぴょこ。
小さなクモが素早く畑を横切っていく。
そして、カマキリやバッタの赤ちゃんもいる。
カマキリやバッタのカタチをしているけれども、まだ小さく、緑の色もつけていない。
そういえば小学生の時、クラスメイトのK君がカマキリの卵を見つけたと言って学校に持ってきて、そのまま道具箱の中でふ化し、教室中にカマキリの赤ちゃんが大量発生した事件があった。
畑にもたくさんのカマキリの赤ちゃんがふ化して、のびのびと暮らしている。
植物にとっても、昆虫にとっても、畑はパラダイスなのだ。
今年、耕作放棄地となっているところにジャガイモも植えてみた。
種芋を買ってきて、植え付け用に半分に切り、やがて芽を出し、青々とした葉っぱを広げていたけれども、急に元気がなくなった。葉っぱは黄色くしおれ、くたびれている。
原因は虫だった。
殺虫剤もまかず、ここ何年も作物を育てていなかった畑は、昆虫たちの住処として最高の環境が整っていたのだ。
その虫たちが、小さなイモを食べ、養分を吸収し、すくすくと生長している、まさにその最中。イモを掘り返してみたら土の中には丸々と太った芋虫もいた。
ひらひらと畑を舞うチョウチョも、食物を荒らす害虫だ。
あおむしの話は以前にこのコラムで紹介したけれども、チョウチョの舞う畑は、すなわち、葉物野菜を食いつぶすチョウチョの幼虫、はらぺこあおむしたちの楽園なのだ。
チョウチョは敵。そんな思いを抱きながら、『鬼滅の刃』を見ていた時、蝶屋敷なるものが出てきた。主人公の炭次郎たちが傷をいやす治療場所であると同時に、機能回復訓練を行う訓練所でもある。そこにたくさんのチョウチョが舞っている。
つまり、ここには腹を空かせたあおむしがいっぱいいる…と想像すると…なんともおぞましい屋敷である。
(2021.07.09:コラム/遠藤洋次郎)