第39話 エダマメしか勝たん

ついにこの季節がやってまいりました!

そうです。エダマメの収穫です。

5月初旬に植えたエダマメ第1弾の『湯あがり娘』。青々とした葉を茂らせ、その葉っぱの下をのぞいて見ると…いましたいましたかわいい娘たち。

さやのふくらみも十分。なんともかわいい娘たちが仲良く並んで実っていました。

そっと手を伸ばしてみると、エダマメの産毛が指先をくすぐる。ふっくらとした豆のふくらみを感じ、「うんうん、大きくなった」と思わず微笑んでしまう。

しっかりと根を張ったエダマメの株、一本一本を抜いていくと、むわっとした夏の空気の中にもエダマメの甘い香りが広がっていきます。

エダマメは『畔豆』とも言われ、田んぼの畔に植え、あぜ道を補強するために育てられていました。新潟も米どころゆえに、エダマメの栽培が盛んなんでしょうね。

さて、抜き取った株から枝豆のさやを一つ一つもぎ取っていくのですが、これがなかなか大変な作業。

一畝分のエダマメ数十本の株から、さやをもぎ取っていくのに一人でやっておよそ4時間。途中休憩もはさみましたが、朝から始めたつもりが、気がつけば真夏の太陽は頭の上に。びっしりと汗をかきながらの作業。なるほどエダマメ農家さんの朝が早いのもうなずけます。

一つ一つのさやを、本当はハサミで切り取ったほうがいいと、ものの本には書いてありましたが、めんどくさいので手でもいでいきます。

するとまた、エダマメの甘い香りがふわっと鼻をくすぐって、指先にもほんのりとエダマメの香りが。採れたてのエダマメをさっそく塩ゆでしていただきました!

ざるいっぱいにエダマメを茹でたのですが、一粒つまむともう止まらない。完全にエダマメを食べるマシーンと化した私は、一言もしゃべらずただ黙々と食べ続けていましたが…あんなに時間をかけてもいだのに、ざるいっぱいのエダマメは秒で完食。

『まだ残ってるのも茹でてしまおうか…いやこれ以上食べたらさすがに食べすぎか?明日の分もとっておいた方がいい…でも、取れたてのエダマメを食べるのが、育てた者の醍醐味じゃないか?』

そんな葛藤を繰り返しながら、この日はぐっと我慢。しからば次のエダマメタイムに向けての準備をしようと言うことで、ちょっと高めのビールを冷やし、お気に入りのビールジョッキを冷凍庫に。ガッツリ汗をかいた後ひとっ風呂浴びてからいただこう!と至福の時間を夢見てまた畑へ出かけていきました。

いやぁ、本当に、この時期はエダマメしか勝たん。エダマメしか勝たんのじゃ!

(2021.08.20:コラム/遠藤洋次郎)