第47話 たのむぞ!サツマイモ!

 いよいよ明後日はイロドリ畑プロジェクトの芋ほり大会!

 今年の春植えたサツマイモをみんなで掘ってみよう!と言うことで、僕もワクワクしているけれども、ちょっと天気が心配。

 ずっと放置されていた畑、いわゆる『耕作放棄地』を何とか復活させたい!そんな僕の思いと、畑仕事を通して地域の魅力を発信していきたいと言うイロドリプラスの思いが合致して、昨年末くらいから「どうしよう?何をしよう?どんなものを育ててみよう?」と検討を重ねてきました。

 固くなってしまった土を、耕運機を動かしてほじくり返していく作業。マルチがけをして、そこに用意したサツマイモの苗を植えていく作業。ときおり様子を見ながら雑草刈りの作業。子供たちを交えて芋ほりをしていく作業を夢見ながら、およそ6か月がたちました。

 苗が土に根を張らずに、枯れてしまうものもいくつかありましたが、秋になって蔓の伸びも勢いを増し、見た目は立派なサツマイモ畑。一体どんなイモが土の中にいるのか?期待も膨らんできます。

 農業検定のテキストに書かれてあったことに、全国の耕作放棄地の面積は今、富山県の面積と同じくらいあり、その面積は年々増えているといいます。もちろんこれには農業をする人の高齢化、後継者不足の問題もあるし、畑を手放してそこに何か建物を建てると、緑の面積が減っていって、地球温暖化の問題にもつながっていく。

 芋ほりに参加する子どもたちにはそんな大仰な話でなくても、農業の抱えている問題についてちょっとでも感じてもらうことができたらいいな~と思っています。

いや、子どもたちには純粋に芋ほりを楽しんでもらいたい。

サツマイモはなどのイモ類は地中で育つので、外から蔓を見てもどんなイモが育っているのかは確認できない。実際に掘ってみるまで、イモの姿は見られない。カッチカチになってしまった土だけれども、果たして明日はどんなイモが出てくるのか?

思えばこの夏、雑草だらけの畑に愕然としながらも、鎌を片手に、いざ草むらの中に飛び込んでいき、汗をかきかき、蚊に刺されながら雑草を刈っていった日々を思い出します。

ラジオで高校野球の中継を聴きながら、「せめてこの試合が終わるまでは雑草を刈っていこう……」そう心に決めて一畝しっかり草刈りをしたり、あまりの暑さに途中で断念したり。

自分なりに面倒を見て、じっくり生長を見守ってきたイモたちだけに、気持ちは子どもを持つ親のよう。

明後日、子どもたちの笑顔があれば、きっとこの思いは報われるんじゃないかな?

たのむぞ!サツマイモ!

(2021.10.14:コラム/遠藤洋次郎)