どうしても除草剤や殺虫剤を畑に撒かなきゃならない。
どこから種が運ばれてくるのか、気がつけば畝にはいっぱいの雑草が生えているし、農作業は害虫との闘いでもある。
そこで市販の除草剤や殺虫剤を購入するのだが、この薬剤は水で薄めて使用する。
ではここで問題。
<問題1>
除草剤Aは、水で50倍に薄めて使います。30坪の畑に、100ミリリットルの除草剤Aを薄めて使うとき、水は何リットル必要になるでしょうか。
<問題2>
問題1で使用する除草剤Aの水溶液を、100坪の畑に撒くとすると、除草剤Aは何ミリリットル必要になり、また希釈する水の量は何リットルになるでしょう?
<問題3>
1坪は3.31㎡である。では除草剤Aを10㎡の畑に撒くとしたときの除草剤Aの量と水の量を求めなさい。
脳みそパーーーーン!である。
学生時代、数学赤点のこのワタクシに、文学部志望だったこのワタクシに、希釈して何リットルの溶液を作るのかなど瞬時に答えられるわけがない。紙と鉛筆があったって、正解を導き出せるかどうかわからない。
薬剤のボトルに記載された「使い方」を眺めながらも、頭は真っ白。思考は停止している。
「とりあえず…問題1の100ミリリットルの除草剤に水を…この場合は5リットルでいいのか?さて…ええっと…この畝は坪数で言うと何坪になるんだ?ちょっとまて、1リットルって何ミリリットルだったっけ?」このレベルである。
水溶液が薄いと効果は少なくなるし、濃すぎると畑への影響も
大きい。その“ちょうどいい量”を作り出すことに躍起になって、「あ、水の量が足りない、もっと増やそう」「しまった薬剤を入れすぎた!」などと悪戦苦闘を繰り返しながら、メモリの付いたバケツとにらめっこしている。
できあがった水溶液は噴霧器に入れ散布する。
その昔、容量20リットル、肩にしょって使うタイプ噴霧器を使っていたのだが、何を思ったのか、噴霧器満タンに殺虫剤の水溶液を作ってしまった。
水1リットルはおよそ1キログラム。
両肩にのしかかる20キロの重さに耐えきれず、その日私は、腰を痛めた。
(2021.04.23:コラム/遠藤洋次郎)