第35話 ナメクジの怪

エダマメをたくさん植えました!

今年、ようじろう農園にこしらえた畝の半分はエダマメ。「この畝のエダマメは8月に入ったら食べごろ」「こっちの畝のエダマメはお盆の時期に」「そしてこの畝のエダマメは9月の頭には収穫できるかな?」そんな空想に浸りながら、エダマメの生長を眺めている。

先日、育苗用のトレイに撒いたエダマメの芽が伸びてきたので、いよいよ畑に植え替えようとトレイを眺めてみた。すると、4枚あるうちのトレイの一つが、どうも出てきている芽の数が少ない。発芽の悪いエダマメだったのかな?とも思ったけれども、よく見ると、出てきた芽の頭の部分が食べられている。

「あっ!これはナメクジの仕業だ!」

育苗トレイは地べたに置かず、エダマメ用にと用意した台の上に載せ、ナメクジ対策をしたつもりであったが、それも効果なし。やつらはどこからともなくはい出てきて、美味しいエダマメのやわらかな頭の葉っぱの部分を食べつくしていたのだ。

とは言っても、日中、ナメクジの姿は見当たらない。生い茂る雑草の間をのぞいて見ても、ほじくり返した土の中を見ても、ナメクジの姿はどこにもないのである。

「犯人はナメクジに決まっている。しかしその姿はない。幻か?幽霊か?」

その日の夕方。

水まきをしようとエダマメの育苗トレイを見てみると、犯人を見つけた!やはりナメクジ。

しかも一匹ではない。葉っぱの陰に、茎の部分に。トレイの間、土から顔をのぞかせている者。あっちにもこっちにもナメクジ、そしてナメクジ!ああ、ナメクジ!

まだ子どもであろう小さなものから、丸々と太ったメタボな奴もいる。

その姿に「うわっっっ!」と思わず声がでてしまった。

ナメクジは夕方、涼しくなるころに動き出す習性がある。夕方の時間がナメクジにとってのゴールデンタイム。

「終業時間になると急に元気になる、サラリーマンの頃の自分みたいじゃないか。」

とまた急に、ナメクジに対してシンパシーを感じた。

とりあえず、ナメクジ除去の薬剤をまき、今まさにエダマメ芽の美味しいところを食べようとしているナメクジは現行犯逮捕。割りばしでつまんで捨てる。でも、すべてつまみ切れるものではない。本当に、一体何匹のナメクジがトレイの上を這っていただろうか?

ところであなたは、ナメクジを素手でさわれます?私はさわれます。

(2021.06.25:コラム/遠藤洋次郎)

(第5回)イロドリ畑PJ

第5回:そして見守る(2021.06月)

新潟の魅力を企画・発信する「新潟イロドリプラス」
フリーアナウンサーでありファーマー「遠藤洋次郎」

「新潟イロドリプラス:メンバー2名」「農業指導:遠藤洋次郎氏」計3名にてイロドリ畑プロジェクト進行中です。

苗を植えて1カ月が経過しました。

周りの雑草が生え、芋たちの葉も少しずつ伸びてきました。

順調に葉が伸びている箇所も有れば

完全に育たなかった箇所も見受けられます。

割合的には、「安納いも」の成長が難しく、うまく育たなかった箇所が目立ちます。
市場でも有名で、少し高額な「安納いも」。

育てるのが難しい=他よりも少し高くなる

この図式、身をもって体験することができました。

夏の日差しと暑さを感じ始めている6月。
見守るもどかしさもありますが、引き続きプロジェクトを進行していきたいと思います。
そして、別のプロジェクトも同時進行で動いております。
農業、新潟の魅力を発信する。また一つの機会になればと思います。
是非、またご覧ください。

続きはこちらから
(第6回:熱中と雑草(2021.07月)へ)


【バックナンバー】
第1回:大地に触れる(2021.03月)
第2回:設置する看板(2021.04月)
第3回:ついに植える(2021.05月)
第4回:また植える(2021.続05月)
第5回:そして見守る(2021.06月)
第6回:熱中と雑草(2021.07月)
第7回:芋ほり準備へ(2021.08-09月)
第8回:そして収穫(2021.10月)

第34話 夏の天敵

農家の皆さん、外仕事をされる皆さん、これからの時期は熱中症に注意が必要です。お互いに気を付けていきましょう。

私も真夏の炎天下、ひとり作業をしていた時に突然暑さを感じなくなって、その夜熱にうなされたことがあります。たぶんあれが熱中症の症状だったのではないかと思っているのですが、ここ最近の夏の暑さはタダものじゃありません。こまめな水分補給と休息、塩分補給も忘れずに行きましょう。

と、この時期になるといろいろと注意しなければならないことがある。

一つは蚊。畑でも半袖短パンで過ごしたいけど、肌の露出は蚊の格好の標的。長袖長ズボン、首元を覆う日よけのついた帽子をかぶっても、スキマを狙ってあいつらは襲撃してくる。

首筋、おでこ、素肌の部分には容赦ない。眉毛のあたりを刺されたときにはお岩さん状態。

農園の参加者には「それはハチの巣を駆除するかっこうなのではないか?」と思うほどの全身防護服、プラス、携帯用の蚊よけ機器をぶら下げてくる方もいる。

虫よけスプレーだけでは事足りず、それだけの完璧な防護で臨まねばならない。

かゆみ止めは常に持ち歩き、私も作業をするときは蚊取り線香を吊り下げ式のホルダーに入れ、常に線香の煙にいぶされている。

そしてもう一つ、この時期の天敵は紫外線である。

夏の紫外線よりも6月の紫外線の方が強いという。実は私も今年になってすでに一度、腕の皮がむけている。

日よけの帽子をかぶっても、どんだけSPFの値が高いクリームを塗ってみても、完全完璧に遮断できるものではない。私が頬を赤くしているのは照れているからじゃなく、日に灼けたからだ。

今年に入って、コロナ太りを解消すべくダイエットを始めた。目指せ細マッチョ!と目標は掲げているけれども、積年の皮下脂肪や内臓脂肪はそう簡単にそぎ落とせるわけでもないので、細マッチョまではいかないまでも、この夏『脱いでも恥ずかしくない体』を目指そうと頑張っている。海やプールに行って服を脱いでも恥ずかしくない体になりたい!

鍬をふるえば腕が鍛えられる。草刈りのために立ったりしゃがんだりすれば、これはスクワットだ!と思いながら、素敵なボディラインを目指して今日も畑に出かける。

炎天下、畑を耕す。汗をかきTシャツ姿になる。腕が日に灼けて黒くなっていく。

さて今日は夕方からお出かけだからとシャワーを浴びようとバスルームに行き、着ていたTシャツを脱ぐと、どうだろう、Tシャツの日焼けの跡がバッチリ残っている。

やっぱりこの夏、裸になるのはハズカシイ。

(2021.06.18:コラム/遠藤洋次郎)

第33話 楽に農作業?

先日、後学のためにと、雑誌に載っていたとある農家さんのインタビュー記事を読んだ。

細かな内容は忘れてしまったけれども、インタビューの中にあった「『楽』をしなければ農業なんて続かない」そんな言葉が心に引っかかった。

「そうだよな~農業って楽じゃないもんな~。だから農業をやってみようと思う人も少ないわけだし、つらい、しんどい、泥まみれの仕事だもんな…つらいと続かないもんな…」などと思いながら読んでいたのだが「いやいや文明は、人類は、楽をするために発展したのではないか?」と急に「文明」だの「人類」だのと大層なことを思いはじめた。

鉄を発見し、これは土を耕すのにイイっていうんで鍬が作られ、でも鍬で耕すのが大変だから、牛や馬を使おってみよう、その後エンジンが開発されてすごい馬力で早く深く耕すトラクターが誕生し…。そうなのだ!人類の発展と進歩は、どうやったら楽ができるか。その楽をするための叡智の結晶なのだ!そんなことを思っていた。

おそらくここ最近の暑さで、少し脳が溶けていたのかもしれない。

トラクターを使えば畑を耕すのも楽になる。でもトラクターは高い。

除草剤をまけば草刈りの手間が省ける。でもたくさんの除草剤をまくのも問題がある。

楽をするにもコストがかかるし、楽をしすぎるのもまた問題なのかもしれない。

ここ最近の農作業のメインはブドウの剪定(せんてい)である。

まぁ放っておいてもブドウは勝手に伸び、花を咲かせ実をつけるのだけれども、実を大きくし、丸々とした美味しいブドウを作るためには、ほかのブドウたちには犠牲になってもらわなければならない。今、小さく実をつけているブドウを少し切り取って、残っている実に栄養をいきわたらせるようにする。

この作業がつらい。

一本の木から伸びたブドウは頭上に枝葉を伸ばし、実をつける小さな花も見上げたところに咲いている。この花を手を伸ばしてハサミで一つずつ切っていくのだが、どうしたことか、肩が上がらないのだ。

「これが、ひょっとして…五十肩というものなのか?」

先日テレビを見ていたら、ブドウ農園を営む農家さんが、ブドウの剪定(せんてい)が楽になる、脚立のような台座を発明していた話題が紹介されていた。ブドウを剪定(せんてい)するのにちょうどよい高さのところで、背もたれに腰を預けて安定させ、サクサクとブドウの剪定をするその発明品を見て、素直に「これ欲しい!」と思った。

そう。楽に農作業をするための、ブドウ農家さんの叡智の結晶が、そこにはあったのだ。

(2021.06.11:コラム/遠藤洋次郎)

第32話 農作業スタイル

自分はそんなにおしゃれじゃないけど、一応の身だしなみには気をつけているつもりだ。

ただ、なかなかドレスコードが分からず、『ラフな格好で』と言われると、何を着ていけばよいのか分からない。

襟付きのシャツの方がいいのか?とりあえずジャケットは着ていくか。まぁスーツで行けば問題ないだろう。そう思ってスーツ姿でスキーのゲレンデに行ってしまったこともあるし、重い荷物を運び出す肉体労働をしたこともある。明らかに場違いな格好だった。

おしゃれかどうかは置いておいて、何を着るかで気持ちにスイッチが入ることがある。ビジネススーツを着れば身の引き締まる思いがするし、体を動かすときスポーツウエアに身を包むと「よし動くぞ!」と言う気になる。

農作業に特化したファッションもある。

『農作業を楽しく、カッコよく』そんなうたい文句で、サロペットやつなぎの上下、日よけの帽子や長靴まで、おしゃれなものが紹介されている。

「いやいや、どうせ泥で汚れるんだし、シミのついたシャツと学校ジャージでいいじゃん。誰に見せるわけでもないし、汚れてもいいかっこうで十分。農業におしゃれはいらないね。」

なんて思っていたのだけれども、ようじろうおじさん、最近色気づいてきた。

農作業着を着ているモデルさんがカッコイイのだ。

その手のサイトを見ていると、機能性はもちろん、見た目にもおしゃれな作業着が多く紹介されている。ちょっと前までは何となく野暮ったい感じに思えた農作業着も、すらっとしたモデルさんが着ているとあら不思議、カッコイイのだ。

そんなわけで、リーズナブルなお値段のサロペットと、青色のつなぎを購入してみた。

足元の裾の部分がだいぶダブついているけれども、そこは長靴を履けば隠せる。

そんな自分の姿を鏡に映してみたけれども、あら不思議、野暮ったい。

無精ひげをはやしたまま、麦わら帽子をかぶって、鍬を手に持ち、もう一度鏡を見る。

「うん、この姿はどこかで見たことがある…。なんだろう、この既視感。その昔、お菓子売り場にならんでいた…そうだ!カールおじさんだ!」

モデルさんのそれとはだいぶ違うけれども、見た目はすっかり農夫である。

最近はこのスタイルがお気に入りだ。畑仕事へのスイッチが入る。

何だか気持ちがのらないときは、カタチから入るということも大事だと思う。

そんな農作業のスタイルを、『ようじろうファーマーズフォーム』と呼んでいる。

(2021.06.04:コラム/遠藤洋次郎)

第31話 恵みの雨

新潟でラジオをはじめてすぐの頃、番組の中で新潟の天気をお伝えすることになった。

気象台から届く最新の天気情報をまとめ、天気概況、各地の天気、降水確率、気温、注意報などをお伝えする。

はじめは書かれてある原稿を読むことで精いっぱいだったけれども、慣れてくると、雨雲の動きから今後の雨の様子なども話せるようになった。

ちなみに、気象台からは『21時から24時』『3時から6時』などと時間で表記された原稿が届く。『21時から24時』の間は「夜遅く」、『3時から6時』となっているものは「明け方」とそれぞれ変換し、「夜遅くにかけて降水確率が高くなります」とか「明日の明け方までには雨が上がるでしょう」と言い換えていく。

そんな天気予報をお伝えしているときに、大失態をしてしまったことがある。

「明日も新潟県内は各地で晴れの良い天気。雨の心配はありません!」そう言ったところ、

「『雨の心配』ってなんだ!世の中には雨が降ってほしいって思っている人もいるんだぞ!」

と怒られた。まさしく、番組ディレクターからの雷が落ちたのだ。

でも、雨が降ると濡れるし寒いし、傘を持ち歩くのもメンドクサイ。もしもその日が楽しみにしていた運動会や遠足だったら、中止になってしまう。デートをするにしても雨だとテンションが上がらない。雨が降るよりも晴れていたほうがいい。そう思っていた。

畑仕事をしていると、いつもこの先の天気とにらめっこだ。

晴れのタイミングを見計らって、土を耕したり、種を植えたり、水をあげたりする。天気もコロコロ変わるので、いくら事前にスケジュールを組んでみてもその通りに行かないことの方が多い。

貴重な晴れの日に一気に作業を進めなければならないのだが、晴れの日ばかり続くと

「ああ、水をあげなきゃならんな…雑草を刈らなきゃならんな…」と憂鬱な気持ちになる。

「雨が降れば、朝水やりに行かなくてもいいし、そうすればゆっくり寝てられるし、夜更かしできるし、少しくらいの深酒も…いいよねぇ?」

天気予報を眺めながら、いつ雨が降るのか、いつゆっくり寝てられるのか、いつ深酒ができるのか、そんなことを期待している自分がいる。

雨は自分にとっても恵みの雨。「雨の心配が…」などと言っていたのに、まさに自分自身が『雨が降ってほしい!』と望んでいる人の側にいるのだ。

しかし昨今の雨の量や多いし、吹く風も強い。農園でも雨の被害、風の被害が多くなっている。温暖化の影響かもしれないけれど、ほどよい晴れとほどよい雨であってほしいと思う。

(2021.05.28:コラム/遠藤洋次郎)

第30話 ひとりでできるもん?

前に書いたコラム『マルチがけの職人』を読んだという農家の方から、

「ようじろうさん。私一人でマルチがけやっていますよ」と声をかけられた。

真っ黒いビニールのシートを3人一組になって、畝の上に慎重に張っていく。そんなことを書いていたコラムだったが、そのマルチがけを一人でやっているというのだ。

「ああ、マルチがけの機械ってありますもんね?」と返事をしてみたが「そんなものは使っていない」と言う。

果たして一人でマルチがけができるのか?気になったのでいろいろ調べたところ、一人でやるマルチがけの方法を解説した動画が見つかったので、さっそく見てみた。

動画に登場したのは職人オーラ漂う貫禄のあるおじさん。農作業ファッションもしっかり板についている。

まずは土を耕し、畝を立てる。時間短縮のため早送りの映像になっていたけれども、何とも手際が良い。みるみるうちにまっすぐの畝が出来上がる。

そしていざ、マルチがけ。

おじさんはロール状になっているマルチをスルスルスルと伸ばしていき、ふわっと畝の上へかぶせてみせた。そして畝の両サイドから土を集めてマルチを固定させていく。

これぞ職人技!見事である。

では実際にやってみよう!と、私も幅60センチ、長さ3メートルほどの畝にマルチのシートをかぶせてみた。

用意したマルチにはまん中に線が入っていて、その線を中心にマルチを伸ばしていけば、畝にまっすぐに延びたみごとな“マルチがけ”ができるはず、である。

ところがこれがうまくいかない。

マルチは風にあおられるわ、中心線はズレていくわで、いびつに曲がっている。

なんと言うか…一人でのマルチがけはできた。できたけれども、決して見栄えのいいものではなかった。協力者があって初めてみごとなマルチがけができるのだと痛感したのである。

農家の方から、一人でやるマルチがけの方法も教えてもらった。

少しずつマルチを伸ばして、畝の幅に合わせて大きく足を開き、しわにならないようピンと張ったマルチを両足でしっかり踏んで固定させ、足元に重しとなる土を載せていく。

なるほど。時間はかかるけれども、一人でできないこともない。

でもなんだか畝の幅が狭くなっているような気がする。

なぜ畝の幅が狭くなってしまったのか?

大きく足を開いてみても大きく広げられない自分の足の短さが原因であることに、さっき気づいた。

(2021.05.21:コラム/遠藤洋次郎)

第29話 イロドリ畑で

農業コラム『ミドリのイロドリ』の連載からおよそ7か月。
はじめは農業に関するあれこれ思ったことを書いていこうと、ほんの軽い気持ちで始めたのだが、気持ちの奥底にはこのコラムの執筆を機に「何か楽しいことができないものか?」そんな野心がうごめいていた。

ミドリのイロドリを書いている動機はいくつかある。

一つは、自分が農作業を通して感じたこと、思ったことをアウトプットしていく場所であると言うこと。年を重ねるごとにいろいろと忘れることも増えてくるので「こんなことをやっていた」「こんなことを思っていた」という備忘録としての役割。

もちろん、農業の楽しさ、大変さを伝えたい気持ちもある。

ひょんなことから始めた農業。まだまだ素人である。日々、悪戦苦闘する中にも楽しさ、面白さを見つけ出し、読んでくださる方々と共感したい。ちょっとでも共感してもらえて、「自分も土いじりしてみたいな…」と思ってくれる人がいてくれたらいいな、と思っている。

なにせ孤独な農作業。この楽しさ、大変さを分かちあえる仲間が欲しいのだ。

そして、ミドリのイロドリを通して『土いじり仲間』を増やすこと。

そんなわけで登場しました『イロドリ畑』

農園の一角でサツマイモづくりにチャレンジ!

実は昨年からイロドリ畑をつくってサツマイモを栽培してみよう!というプロジェクトを進めておりました。

サツマイモの栽培にと準備した畑の一角は、耕作放棄地になっていて、雑草生い茂る荒れ地状態。この場所を何とかよみがえらせたい。ここはひとつ、荒れ地の方が栽培に適していると言われているサツマイモに頑張ってもらいたい。そんな期待を寄せている。

「ああ、紅はるかちゃんを早く植えたい!生長していく様子を見守りながら、最後はみんなで芋ほりをしたい!」

ウズウズした気持ち、はやる気持ちもあるけれども、野菜作りには時期がある。「思い立ったら即行動!」というわけにもいかず、その時が来るのをじっと待たなければならない。

そして5月。いよいよその時がやってきました。

サツマイモの苗を探しに、園芸店やホームセンターをめぐること3件。ようやく見つけ出した紅はるかの苗を購入し、いざ!

果たしてイロドリ畑でのサツマイモ栽培、どのような結果になるのか?楽しみである。

(2021.05.14:コラム/遠藤洋次郎)

(第4回)イロドリ畑PJ

第4回:また植える(2021.続05月)

新潟の魅力を企画・発信する「新潟イロドリプラス」
フリーアナウンサーでありファーマー「遠藤洋次郎」

「新潟イロドリプラス:メンバー2名」「農業指導:遠藤洋次郎氏」計3名でイロドリ畑プロジェクト進行しました。

下図の部分のスペースが空いていましたので、別の種類のさつまいもを植えることを話し合い、決定しました。

また土が乾燥していましたので、また1から畑を耕すところからスタートです。

水を与え、少し柔らかくなった土を起こしていきます。

そして、お待ちかねの「マルチ張り」!!
前回経験したことを活かし、初回よりも要領よく張っていきます。

この前掛かった時間が嘘のように、テンポよく進み、苗を植える作業にうつります。

今回植えるのは、「紅あずま(ベニアズマ)」です!

「紅あずま」の特徴は、粉質でホクホクした食感があり、繊維質が少なく甘みが強いそうです。これは楽しみ!できたときの妄想が進みます。

1本1本、丁寧に植えていきます。

最近日差しも強かったせいか、前回植えた苗で弱っているものもありました。

ですが、強く成長している苗もありました。

先ほど植えた苗も合わせて、もう2~3巡、水を沢山あげました。

初めは、何がなんだか分からず、土と戯れていましたが、こうした成長を少しでも見てしまうと、さつまいもの苗や畑への愛着心が少しずつ大きく膨らみ、なんだか全てが愛おしくなってきます。

引き続き、遠藤洋次郎氏のご指導のもと、イロドリ畑がさつまいも一杯になるよう取り組んで参ります。

続きはこちらから
(第5回:そして見守る(2021.06月)へ)


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第4回:また植える(2021.続05月)
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(第3回)イロドリ畑PJ

第3回:ついに植える(2021.05月)

新潟の魅力を企画・発信する「新潟イロドリプラス」
フリーアナウンサーでありファーマー「遠藤洋次郎」

「新潟イロドリプラス:メンバー2名」「農業指導:遠藤洋次郎氏」計3名でイロドリ畑プロジェクト進行しました。

・植える野菜について
・作業内容について
・次回のスケジュールについて


実践作業開始/植える野菜とは

さて、今回のプロジェクトで植える野菜。都度プロジェクトで検討してきましたが決定いたしました。

さつまいもです!

さつもいもの中でも、2種類準備しました。

「安納いも」と「紅はるか」です。

この1本の苗が「5~6本」の ” さつまいも ” になるとのこと。そんなに上手いこといくのか、初心者メンバーは不安と期待でいっぱいです。

さて、さっそく植えていこう!と思いきや、その前に必要な準備が。

☆マルチ張り☆です。

それは、なんでしょうか?

畑でよく見る「黒いビニール」。見たことありませんか?

このビニール、正式名称「マルチシート」です。

日光が当たらないようにして、雑草が生い茂るのを防いだり、温度を上昇させて作物の成長を助けるという効果があるそうです。家庭菜園レベルの小さな畑であればなくても、面倒をみていけますが、広い畑になると雑草対策も大変です。
そのために「マルチシート」を活用するそうです。

これを張る作業が「マルチ張り」。
さっさっとビニールをかぶせて、苗を植えたい!

無事育った「さつまいも」の将来の姿が脳裏に浮かびます。

そんなとき、遠藤洋次郎氏の「ちょっと待った!」。

GWに降った雨が乾き、土が乾燥しているとのこと。
よく土地を見ると、あれ?

先月起こした土が、耕やす前の状態になっていました。
これを再度、耕しなおす必要があるとのこと。

また1からの作業、でもまだ始まったばかり。全然へっちゃらです!

今日の作業は全部で4棟。まずは、1棟ずつ土を起こし、マルチ張りを始めます。

マルチシートを固定する

マルチシートは、土の中に埋めて固定します。
事前に、畝(うね)を少し高く作り、その周りに溝を掘っておきます。この堀っておいた外側の土をシートのサイドに被せていきます。

文章にすると難しいのですが、要は「シート」が飛んでいかないように、外側に重しとして土を被せていく必要があります。

一人がシートを引っ張って伸ばしていきます。
空気が入らないように気を付けながら。

そして、他の2人が、シートの両サイドに立ち、シートを踏みつけながら、土を被せていきます。

少しずつ、少しずつ、シートを伸ばしては、土を被せる。地道な作業ですが、孤独ではありません。3人での作業は楽しく、陽気に進めていきます。

土の被せが甘かったところを、後から足していく余裕も、この段階ではありました。

1ブロック(棟)完成!

続いて、次のブロックの土を起こす作業に移ります。

2ブロック目までは楽勝でしたが、3ブロック目からは

もうだめです。

腰に激痛がはしり、真っ直ぐに立てません。

熱中症にも気を付けながら、十分に休憩を取りながら作業を進めていき、ついに本日の目標4ブロック目の完成です。


ようやく本日の課題、苗を植える作業を開始します。

マルチシートに穴をあけて、その間から「竹棒」を土に斜めに突き刺します。

穴の開いた土の隙間に、苗の先っぽを斜めに突き刺し植えていきます。

これで完成。

野菜の成長を妨げない程の間隔を取って植えていくということで、30cm程度の感覚で、同じくシートに穴をあけて植えていきます。

実に地道な作業。
また腰に激痛が走りますが、途中で投げ出すことはできません。

そして、ついに全てのブロックに苗を植えおわりました。


2ブロック「安納いも」。2ブロック「紅はるか」。

畑を見ると、残り2ブロック、まだ耕し植えるスペースがありました。
せっかくのスペースなので、また後日、違うさつまいもの種類を植えてはどうか、遠藤洋次郎氏からご提案をいただきました。

うまく育てば、全部で1000本近いさつまいもが出来上がる計算になります。本数が多いほど、色んな試みでプロジェクトを盛上げて行けますので、勿論「植えましょう!」と即答しました。

ですが、体はボロボロです。
日頃の運動不足がここにきて祟ります。
途中で倒れそうになりましたが、達成感は何とも言い知れず。
楽しいだけじゃない、過酷な農業の片鱗を体験することができ、次回のミッションに少し臆しながらも、初体験に胸が躍る一日でした。

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